2022年神奈川

港の見える丘公園〜横浜市イギリス館〜
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JR根岸線石川町駅下車。

港の見える丘公園へ。

ゲーテ座跡


 明治18年(1885年)4月、この地に居留外国人のための劇場「パブリック・ホール」が開場した。アマチュア劇団の芝居、音楽会等様々の催し物が行われた。設計はフランス人ポール=ピエール・サルダで、建坪270坪、地上2階地下1階の赤煉瓦造りであった。

 明治41年(1908年)7月、「ゲーテ座」と改名した。大正12年(1923年)の関東大震災で倒壊するまで外国人の社交場でもあった。この前身は、オランダ人へフトにより現山下町68番地に明治3年 (1870年)開設された「ゲーテ座」 と名付けられた劇場である。

(財)横浜観光コンベンションビューロー

横浜市イギリス館


 日本の開国はペリーの来航に端を発したが、最も中心的な役割を果たしたのは、オールコック駐日総領事を代表とするイギリスの外交団です。

 このイギリス館の建つ山手115番は、文久3年に横浜の居留地防衛のため軍隊が駐屯するなど横浜開港直後からイギリスにゆかりの深い土地です。

 横浜市イギリス館は、昭和12年に上海の工部総署の設計によって、英国総領事公邸として建築された建物で、広い敷地にゆったりと建てられ、条約開港都市横浜にふさわしい規模と風格を持っています。

 建物は、主屋と付属屋とが連結した形で建てられています。主屋は南面して主要な部屋を配し、廊下を北側に設ける配置で、一つの理想的な形態を示しています。意匠的には、近代主義を基調とした合理性が見られますが、単にモダニズムの踏襲ではなく、英国調とも言える伝統を加味した穏健重厚な意匠が伺えます。この横浜市イギリス館は様式・意匠ともに優れた貴重な建物として、平成2年11月に横浜市指定文化財に指定されました。

欅の黄葉


横浜市イギリス館


ローズガーデン


 港の見える丘公園のあるこの丘は、開国当時フランス軍とイギリス軍が駐留し、その後、フランス領事館、イギリス総領事公邸が建築されました。現在、フランス領事館の遺構を残す地区をフランス山地区と呼び、イギリス総領事公邸は横浜市が買収し、横浜市イギリス館として市民に利用され、平成2年9月に横浜市指定文化財に指定されました。

 平成元年9月に市制100周年、開港130周年を記念し、「市の花」としてバラが制定されました。

 バラはイギリスの国花であり、また港の見える丘公園には歴史的背景のある横浜イギリス館があります。

 横浜港やベイブリッジの眺望もすばらしく、多くの人々が訪れることから、この公園が「バラ園」を整備する最もふさわしい場所として選定され、平成3年5月に開園しました。

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