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大佛次郎(本名 野尻清彦)は明治30年(1897年)10月9日、横浜市(現在の中区)に生まれる。その後東京に転居、現在の東京大学法学部を卒業後、鎌倉に移り住み生涯の住まいとした。 鎌倉高等女学校(現鎌倉女学院)の教師、外務省嘱託を経て本格的に作家活動に専念、大正13年(11924年)、26歳の時に「鞍馬天狗」を発表し流行作家となる。 その後、大佛は住まいのある鎌倉を拠点にまたある時は、故郷横浜のホテルの一室に仕事場を構え、「赤穂浪士」、「霧笛」、「帰郷」、「パリ燃ゆ」など歴史と社会を見つめた數多くの作品を世に送り出した。ライフワークである「天皇の世紀」の連載は病気のために中断、昭和48年(1973年)4月30日に75歳で永眠した。 |

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帝国ホテルの帳場へ来て、P木は一番贅沢な部屋を取る。 ホールで舞踏(ダンス)をやつてゐた。着飾つた男女がロビイまで溢れてゐる。土曜日だからであらう。
「週末(ウイーク・エンド)」より |


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武蔵国の一隅に在る村の農家の若者、渋沢篤太夫(後の栄一)のような者が武力で高崎城を奪ってから横浜に出て外人居留地を焼き払おうと近村の同志と共に計画したのは、同じ時期のことである。
『天皇の世紀』より |

