西生寺は天平5年(733年)に僧行基が開いた真言宗智山派の古刹である。古くは親鸞聖人も止錫した(恵信尼消息)と伝えられ、樹齢800年の大銀杏は寺泊町文化財に指定されている。 広い境内の一角に建つ弘智堂には、貞治2年(1363年)に入定した弘智法印のミイラ仏が安置されている。弘智法印は下総国匝嵯村(八日市場市)の僧で、各地の修行を経てこの地で即身仏になったという。
(新潟県・長岡市) |
四日 快晴。風、三日同風也。辰ノ上刻、彌彦ヲ立。弘智法印像為レ拝。峠ヨリ右へ半道斗行。谷ノ内、森有、堂有、像有。二三町行テ、最正寺ト云所ヲノズミト云濱へ出テ、十四五丁、寺泊ノ方ヘ來リテ左ノ谷間ヲ通リテ、國上へ行道有。荒井ト云、塩濱ヨリ壱リ計有。寺泊ノ方ヨリハワタベト云所ヘ出テ行ク也。寺泊リノ後也。壱リ有。同晩、申ノ上刻、出雲崎ニ着、宿ス。夜中、雨強降。
『曽良随行日記』 |
コウチ法印の霊地にて みな月やから鮭拝む野栖山 |
宏智法印 | 東花坊 |
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爰に此由身を拜して あなたふと |
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薄も生ず夏の山 と申侍るか一句 |
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の姿ちからなきやうにて此法印に |
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あざむかれんも口おしければ |
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六月は空鮭おがめ鯛よりも |
四日 雨降 二り山田 二り寺泊 弐里半 野積村海雲山西浄寺ト云寺有 奥ノ院岩坂不動か 滝ニ入定し給ふ弘智法印星霜四百余年ニおよぶと聞と 今ニ形□然たり 今ハ本堂ノ上ニ草庵アリ 是ニ安置ス
『奥羽記行』(自筆稿本) |