ここ西徳寺には、二つの文化財が同居しています。 一つは「西徳寺の梵鐘」です。銘文から寛文4年に福岡藩三代藩主黒田光之が作らせたものです。福岡藩の高名な儒学者である貝原益軒が刻んだ「筑州福岡城楼鐘」という文章から福岡城で時を告げる鐘として利用されていたことがわかります。明治の廃藩置県の混乱や太平洋戦争の金属回収令を生き延び、現在は西徳寺の鐘楼に鎮座しています。 もう一つは、「西徳寺の山門」です。これは、直方第4代藩主黒田長清の館の門を直方藩が廃藩したのち、移築しとも言われています。形式は薬医門で、元々の部材も多く残っており、梵鐘とともに後世に残すべき貴重な文化財です。 |
如来ノ作願ヲタズヌレバ 苦悩ノ有情ヲステズシテ 回向ヲ主トシタマヒテ 大悲心ヲバ成就セリ |