2022年福 岡

年長者の里〜種田山頭火の句碑〜
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 昭和9年(1934年)2月21日、種田山頭火は大蔵在住の小城満睦氏を訪ねた。

それから小城さんの白雲閣を襲ふ、赤ん坊が生れてゐる、おめでたい、主人がすゝめられるまゝに、二階で飲む、牛肉がうまいやうに芋がらもうまかつた、酒のうまさは握飯のそれに匹敵した。

星城子君は飲めないから飲まない、山頭火君は飲めるから飲む、などゝ、小城さん思つたかどうだか。……

暮れてお暇乞する、次良さんの事を話しながら戻つた、二マヽ郎さんは不幸な人だ、彼の善良と不幸とは正比例してゐる。

読書するつもりだつたが、しぜん眼があけてゐられなくなつた。

      到津遊園

   ・人影ちらほらとあたゝかく獅子も虎もねむつてゐる

      白雲閣即事二句

   ・お産かるかつたよかつた青木の実

   ・訪ねて逢へて赤ん坊生れてゐた

『其中日記(五)』

北九州市八幡東区大蔵に「年長者の里」がある。

「年長者の里」の入口に小さな種田山頭火の句碑があった。


お産かるかつたよよかつた
      青きの実

昭和54年(1979年)、小城満睦句碑建立。

平成5年(1993年)2月23日、小城満睦没。

河野静雲の句碑もあった。


恵まれし命いたはり
      日向ぼこ

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