昭和9年(1934年)2月21日、種田山頭火は大蔵在住の小城満睦氏を訪ねた。 |
それから小城さんの白雲閣を襲ふ、赤ん坊が生れてゐる、おめでたい、主人がすゝめられるまゝに、二階で飲む、牛肉がうまいやうに芋がらもうまかつた、酒のうまさは握飯のそれに匹敵した。 星城子君は飲めないから飲まない、山頭火君は飲めるから飲む、などゝ、小城さん思つたかどうだか。…… 暮れてお暇乞する、次良さんの事を話しながら戻つた、二マヽ郎さんは不幸な人だ、彼の善良と不幸とは正比例してゐる。 読書するつもりだつたが、しぜん眼があけてゐられなくなつた。 到津遊園 ・人影ちらほらとあたゝかく獅子も虎もねむつてゐる 白雲閣即事二句 ・お産かるかつたよかつた青木の実 ・訪ねて逢へて赤ん坊生れてゐた
『其中日記(五)』 |
お産かるかつたよよかつた 青きの実 |
昭和54年(1979年)、小城満睦句碑建立。 平成5年(1993年)2月23日、小城満睦没。 |
恵まれし命いたはり 日向ぼこ |