芭蕉の句碑


其まゝよ月もたのまし伊吹山

米原市柏原に柏原宿がある。

柏原宿に八幡神社がある。


芭蕉と伊吹山

 松尾芭蕉は、柏原宿を3回西から東へと通っている。3回目のあと大垣の句会で詠んだ、伊吹山の句碑が、清滝の入口にある。

 「奥の細道」では、伊吹山麓の北国脇往還を関ヶ原へと通った。そのときも伊吹山の句を残している。

 その句碑は、すぐ後ろ神社境内、松の木の下にある。

芭蕉(桃青)の句文碑


   戸を開けはにし
   山有いふきといふ花にも
   よらす雪にもよらす只
   これ孤山の穂あり

其まゝよ月もたのまし伊吹山   桃青

出典は真蹟懐紙。

『笈日記』(支考編)には「其まゝに」とある。

平成20年(2008年)10月、柏原学区史跡保存会建立。

 芭蕉は、元禄2年(1689年)敦賀から「奥の細道」結びの地大垣へ、伊吹山を左手に見ながら北国脇往還を歩いた。そのあと、大垣の門人高岡斜嶺邸の句会で、この句文を残している。

 その席で伊吹山は、花や雪や月の借景がなくても、ただ単に聳立する孤山としてだけで、立派に眺め賞し得る山容を備えていると褒めている。そして言外に句会の主人斜嶺の人柄は、伊吹山のようだと述べた。

 この句碑は、ほかに旧山東町朝日大垣・埼玉県・栃木県の4カ所にある。


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