芭蕉の句


菜畠に花見顔なるすゝめ哉

出典は「伝真蹟画賛」。

『泊船集』(芭蕉翁道の記)には「吟行」と前書きがある。

貞亨2年(1685年)、『野ざらし紀行』の旅の帰路で詠まれた句。

『野ざらし紀行』には、ない。

 「咲き揃った菜畑の間をたのしげに飛びまわっている雀の様子は、いかにも花見でもしているといった顔付だ」の意。

 菜畑の雀の様子に人間に通じたものを感じとって、「花見顔」といったのである。まことに温かみのこもった作で、雀に対して静かに愛情の傾いていった感じがある。

 素直に感じつつ、愛情ふかい目付が出ていると思う。小動物を生かした可憐な小品の味は心ひかれるものがある。


群馬県前橋市の一本木稲荷神社

埼玉県本庄市の直正寺

岐阜県坂祝町の常楽寺

滋賀県湖南市の岩根小学校に句碑がある。

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