芭蕉の句
むかしきけちゝぶ殿さへすまふとり
出典は『芭蕉庵小文庫』。
『翁草』には「むかし聞ケ秩父殿さへすまひ取」とある。
『蕉翁句集』(土芳編)に「元禄四未ノとし」とある。
秩父殿は畠山重忠のこと。
畠山重忠公の像
『古今著文集』に畠山重忠が関東で名高い「長居」という相撲取りをうち負かした話があるそうだ。
むかしきけ秩父殿さへ相撲とり
按するに只殿といふ字のおかしけれは是をはいかいにして古代をしたへるの句意にこそ。或記曰「東八ヶ国の大力長居といへる人、鎌倉右大將の御舘に來て重忠と角力の勝負を分たん事をねかふ。頼朝卿、彼か自負をにくミ給ひ、重忠に是をむかハしむ。畠山、烏帽子のまゝなから長居か両の肩をつかミ後におしすへたり
芭蕉の句に戻る