旅のあれこれ文 学


長谷川かな女ゆかりの地

かな女の句

第一歌集『龍膽』

羽子板の重きが嬉し突かで立つ

第二歌集『雨月』

   繼信兄弟の墓

兄弟の墓に梅雨入りの山河あり

花蕗をわけて石狩川となれり

第三歌集『胡笛』

   博入隊

送り出す子の眉そこに今年竹

   博結婚

ちちははの役をひとりに秋袷

鶴啼けり桜はややに陽をふくみ

曼珠紗華あつまり丘をうかせけり

生涯の影ある秋の天地かな

   昭和新山

鈴蘭に火を噴き育つ山愛ら

第六歌集『牟良佐伎』

   調宮公園句碑

神の留守句碑にあそべる子を咎めず

句碑の字の稚拙覆ふへり散銀杏

冷たき碑あたため咲けり白山茶花

   調宮句碑十五周年千代田にて祝会

句碑古りぬ椿の実にも馴染み来て

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