一茶ゆかりの地


〜松 島〜

 元禄2年(1689年)5月9日(新暦6月25日)芭蕉は早朝鹽竈神社に詣でた後、塩釜から船出して昼に松島に着いた。瑞巌寺に詣でてから雄島を訪れた。

雄島から見る松島湾


   一 九日

 快晴。辰ノ尅、塩竈明神ヲ拝。帰テ出船。千賀ノ浦・籬島・都島等所々見テ、午ノ尅松島ニ着船。茶ナド呑テ瑞岩寺詣、不残見物。開山、法身和尚(真壁平四良)。中興、雲居。法身ノ最明寺殿被宿岩屈(窟)有。無相禅屈(窟)ト額有。ソレヨリ雄島(所ニハ御島ト書)所ゝヲ見ル(とミ山モ見ユル)。御島、雲居ノ坐禅堂有。ソノ南ニ寧一山(一山一寧)ノ碑之文有。北ニ庵有。道心者住ス。

『曽良随行日記』

小林一茶は松島の句を詠んでいる。

松島やほたるが為の一里塚

松島や三ッ四ッほめて月を又

『寛政句帖』

   松嶋

松嶋や一こぶしづつ秋の暮

嶋々や思々の秋の暮

『七番日記』(文化8年7月)

岩田涼菟の句に「山々や一こぶしづつ秋の雲」がある。

   題松島

島々や一こぶしづゝ秋の暮


松嶋や生れ[な]がらの峰の松

松嶋や同じうき世を隅の嶋

松嶋の松に生れて小すみ哉

『七番日記』(文化8年7月)

秋立や隅の小すみの小松しま


西行戻しの松へ。

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