一茶の句碑

長谷寺


我もけさ清僧の部也梅の花

桜井市初瀬に長谷寺(HP)がある。


長谷寺に一茶の句碑があった。



   此裡に春をむかへて

我もけさ清僧の部也梅の花

碑 陰

(斎戒沐浴、一山の祈りの中に迎えた元朝、今朝は私も皆さんの仲間入りをして、清僧の一人となった気分だ。折しも山内の梅花は、厳しい寒気を越えて凛として咲き、馥郁と一帯に薫じてやまない)

寛政10年(1798年)元旦、当地での作。西国行脚の旅にあった俳諧師小林一茶は、折柄当山に年籠りして明けた元朝、この句を得た。時に当山の住持はこれに和して

   かすみ見そむる白雲の鐘   住持

と付けたという。

出典は『さらば笠』

   此裡に春をむかへて

我もけさ清僧の部也梅の花
   一茶

 かすみ見そむる白雲の鐘
   住持

傍らに解説があった。

寛政10年(1798年)元旦、登嶺の際詠まれし俳句。

荘厳な雰囲気の山中で迎えた今朝身も心も清浄、自分もまた清僧の仲間入りした感あり。一山に響く読経の声を耳に新しい人生の首途の決意もみなぎる。

この心境を言えば、寒気の中に. 凛として香り咲くまさに梅の花の如し。

平成18年(2006年)4月、流山光明院住職建立。

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