2016年島 根

千鳥南公園〜小泉八雲〜
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松江市千鳥町の宍道湖北岸沿いに千鳥南公園がある。

千鳥南公園に小泉八雲記念碑があった。

小泉八雲記念碑


私も方々へ巡礼の旅をしなければならない。この市をぐるっととりまいて、みずうみのかなた、山々のあなたに、いつからともなく古い神聖な場所があるから。

「耳なし芳一」の像


平成8年(1996年)、設置。制作会沢実。

宍道湖


島根県立美術館が見える。

 昭和5年(1930年)5月27日、与謝野鉄幹・晶子夫妻は宍道湖を訪れている。

船一つ松江大橋くぐるなり潮押されて痩せたるやうに

みづうみは夜と定まれる刻になほ銀紅色の殘るものかな

みづうみを消しはてんとは思はねど假に埋むる初夏の雨

「落葉に坐す」

 昭和5年(1930年)11月、高浜虚子は宍道湖を訪れている。

 一隻の小蒸汽が大川橋のほとりから出て來た。見ると乘客は餘りない。輕く波に浮んで沖の方に出て行く。あの船は何處へ行く船かと女中に聞くと、向ふ岸の何とかいふ港へ行くのだといふ。何時間位で其港へ著くのかと聞くと、八九時間かゝるでせうといふ。船はゆるゆると湖面を辷つて行く。飯をくひながら其船を見る。さきの蓑を著た船頭のゐた船は今は何處へ行つたか見えない。今は唯此小蒸汽が湖の景の中心を爲してをる。

 この松江には不昧公の有名な茶室が殘つてゐるさうだ。また小泉八雲の舊居もあるさうだ。

「宍道湖」

 昭和7年(1932年)10月8日、高浜虚子は宍道湖を畔を行く。

十月八日 松江。

宍道湖畔を行く。郷里松山あたりと同名の柿のたわゝになりたる
多し。

 なつかしやさいじよう柿ときくからに

『句日記』

 昭和34年(1959年)3月、山口誓子は松江を訪れている。

   松 江

白魚火岸の燈明くなりし代に

『方位』

 千鳥南公園には山口誓子の「鴨群れて浮くこれほどの奢りなし」の句碑があったそうだが、気付かなかった。

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