2026年富 山
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つまま小公園~大伴家持の歌碑~

JR氷見線雨晴駅下車。

高岡市太田の国道415号沿いにつまま小公園がある。

大伴家持の歌碑


礒上之都萬麻乎見者根乎延而年深有之神左備尓家里
礒の上のつままを見れば根を延へて年深からし神さびにけり

『万葉集』(巻十九)に収録の歌である。

 この歌碑は、安政5年(1858年)に大田村伊勢領の肝煎(村長)宗九郎が建立したとされ、高岡市では、最も古い万葉歌碑である。

 宗九郎は、相当の学問があり万葉集にも関心が高く、特に都万麻タモノキ(つまま)はであると推定し、1本のタモノキとこの碑を置いたとされているが、永年の風食により、碑の文字を判読するのは難しい。

 都万麻は、クスノキ科の常緑高木で一般にタモまたはタブノキと呼ぶイヌグスのこととされる。老木は根が盛り上がり、神々しい姿となることから神聖な木として扱われることが多い。

 「都万麻」の歌は、家持が出挙(すいこ)のため旧江(ふるえ)村(現在の十二町潟南端辺り)に向かう途中、越中国射水郡渋谿の崎(現、高岡市雨晴海岸)の岩上の磐根を露出した見なれない大樹に驚き、なによりもまだ耳にしたことのない「都万麻」の名に異郷の風土を感じ、詠じたものであるとされている。都から遠く離れた越中に国守として赴任していた大伴家持は、二上山塊の北東端であり、断崖となって海に投じ、海面に点在する大小さまざまの岩礁に白波がくだける渋谿の景観が、よほど鮮烈なものであったらしく、いくつかの賛辞の歌を詠じており、この歌もその中の一つである。曲がりくねった太い根をぐんとどこまでも伸ばし、岩上にしっかりと根をおろして神々しい風情を帯びている「都万麻」の木を見て、その根のように自分の清明の永遠を願うとともに、自分の眼前の渋谿の景観が未来永劫いつまでも続くように願ったのであろう。

高岡市

女 岩


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