正岡子規の句碑



寺清水西瓜も見えず秋老いぬ
我見しより久しきひよんの茂哉

松山市泉町に薬師寺という寺がある。

薬師寺山門


真言宗智山派の寺である。

薬師寺本堂


本堂右手のイスノキの下に正岡子規の句碑があった。


寺清水西瓜も見えず秋老いぬ

我見しより久しきひよんの茂哉

 子規が愚陀佛庵で静養中の明治28年10月2日、石手川方面へ散策の途中薬師寺に立ち寄っての2句。夏には、薬師寺の清冽な泉で西瓜やラムネが冷やされていた。子供の頃の思い出をたどりながら、秋の風物を詠んだもの。

 『散策集』には、「薬師二句」とし、後句は「ひよんの木の実哉」と記している。木の実と思っていたが句稿『寒山落木』に収録するとき木の葉とわかったから、「ひよんの茂哉」と推敲し夏の句としたのであろう。

 ひよんの木とはイスノキ(マンサク科)のこと。当時の知事の筆跡で昭和30年建立。

松山市教育委員会

『俳句の里 松山』

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