此の熱川温泉は、その昔武将大田道灌が、和歌に因む天城山の巻狩りの折り猿が川面より立ち昇り海へ注ぐ此の濁り川を見い出し、川辺に立ち止まると猿や猪が集まり川のほとりに涌き出るこの湯にて、その身を癒す姿を垣間見て“熱い川”を「熱川」と命名し自らも巻狩りの疲れを癒そうと湯浴みをすると、立ち所に身体中に生気漲り、この恵みに吾と我が身を疑った。神の御加護厚き此の地より、江戸城築城のための築城石切り出しを決意した。
江戸城築城の鎚音が村人の歌声と共に野山に響き渡り、村人達は皆こぞって築城石を此の地より切り出し、御石曳きの行列は港へと連なり、数多の船が築城石を江戸へ運んだと言う、歴史的大偉業がこの地より始まった。(1456年)
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海辺に海鵜がいた。

昭和11年(1936年)4月20日、種田山頭火は伊東から下田に向かう途中で熱川温泉に宿をとろうとしたが、断られてしまった。
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風、風、強い風が吹く、吹きまくられつつ歩く、さびしい、つかれる。
赤沢あたりから海岸の風景が殊によろしくなる、茫々たる海、峨々たる巖、熱川温泉に安宿があるというので下って行ったが断られた、稲取へ暮れて着いて宿をとってほっとした、行程八里強。
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『細うで繁盛記』の原作『銭の花』を読んでみることにした。
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