歴史の道 史跡案内 |
この屋敷は、手嶋家という武居の住宅でした。手嶋家は、慶長5年(1600年)に知行200石で上方で召し抱えられ、翌年山内一豊に従って土佐に入国しました。お馬廻の上士として代々よく仕え、人物を輩出しました。最初は中島町に住んでいましたが、1700年代前半から大川筋に移り、明治まで居住しました。 その後、屋敷は自然災害や戦災、都市化の中でも生き残りましたが、荒廃は極に達していました。その現状を憂えた市民有志が立ち上がり、8年にわたる保存運動の結果、高知市教育委員会は、平成8年3月に高知市保護有形文化財に指定し、公的に取得後、復元工事を行いました。 工事に伴う解体調査の結果、長屋門は幕末の安政2年(1888年)に大改修をしたと想われる墨書が発見されましたので、この時代の姿に戻しています。高知の城下町に残る唯一の武家屋敷として、長屋門・築地塀・大蘇鉄・主屋とそろって残る貴重な建築です。 |