明治36年(1903年)7月25日、小磯良平は神戸市神戸(現在の中央区)の中山手通に生まれる。 大正11年(1922年)、東京美術学校西洋画科に入学、藤島武二に師事。 |
《T嬢の像》は、東京美術学校(現・東京藝術大学)在学中の1926年に、帰省先の神戸で遠縁の女性をモデルとして制作されたものです。この作品は第7回帝展の特選を受賞した小磯の出世作ですが、一方でモデルや制作場所からは当時の小磯の生活が垣間見えます。 |
また、人物画を多く描いた小磯にとって、モデルは重要な存在でした。神戸にアトリエを構えた1930年代は、小磯の画家人生の充実期でしたが、1930年代後半から40年代初めにかけての作品には、一人のモデルが繰り返し登場します。そのモデルの、出で立ちと静かな雰囲気に、小磯は惹かれていたとされています。小磯の充実期を支えたとも言えるこの女性は、《踊り子》や《斉唱》など、多くの代用作に姿を残しています。 |
昭和20年(1945年)6月5日、神戸大空襲でアトリエを喪う。 |
昭和54年(1979年)、文化功労賞受賞。 昭和58年(1983年)、文化勲章受章。神戸市名誉市民。 昭和63年(1988年)12月16日、死去。享年85。 |