俳 書
『しぐれ会』(安永7年刊)
四来奉納発句 |
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備後田房 |
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東雲や鐘さまさまに時雨(※「雨」+「衆」)そふ | 古声 |
浪花 |
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鹿の音のほそりて明ぬはつ時雨(※「雨」+「衆」) | 旧国 |
上野前橋 |
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鶏頭の花に重みや夕しくれ | 素輪 |
遠江浜松 |
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明星のひとつ気疎し村しくれ | 白輅 |
伊賀上野 |
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堀に出た松にかくれるしくれ哉 | 桐雨 |
小夜しくれおもふことなき友もかな | 瓦全 |
尼 |
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はつしくれ障子ならして過にけり | 諸九 |
一坐捻香 |
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洛陽 |
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しくるゝや隣はむかし無名庵 | 蝶夢 |
嵯峨 |
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片しくれ須磨に寝し夜の心地かな | 重厚 |
塚にまつしくれて嬉し苔の色 | 沂風 |