俳 書
『北の山』(句空編)

| うらやましうき世の北の山桜 | 翁 |
| 雪消えしまふ細ね大根 | 句空 |
| 人足のあたまかぞゆる春風に | 去来 |
| 大はらや蝶のでゝ舞ふ朧月 | 丈艸 |
| 句空法し、卯辰山の藤ある松陰にかりなる |
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| 草をむすびはじめられける、その夜まかりて |
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| つよかれとつくらぬ花のいほりかな | 北枝 |
| 菜の花や小屋より出るわたし守 | 史邦 |
| 木曾塚のほとりに、むすびすてられたる翁 |
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| の庵にしばらく侍りて |
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| すてゝゆく庵見よとや遅桜 | 句空 |
| 名月や疊の上に松の影 | 其角 |
| 行脚のとしをかさね、東武にかへりて |
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| ともかくもならでや雪のかれ尾花 | 翁 |
