ぐつすり寝てほつかり覚めた、いそがしく飲んで食べて、出勤する星城子さんと街道の分岐点で別れる、直方を経て糸田へ向ふのである、歩いてゐるうちに、だんだん憂欝になつて堪へきれないので、直方からは汽車で緑平居へ驀進した、そして夫妻の温かい雰囲気に包まれた。…… 昧々居から緑平居までは歓待優遇の連続である、これでよいのだらうかといふ気がする、飲みすぎ饒舌りすぎる、遊びすぎる、他の世話になりすぎる、他の気分に交りすぎる、勿躰ないやうな、早(ママ)敢ないやうな心持になつてゐる。 |
子雀のあまえてゐる聲のしてゐる朝月 | 緑 平 |
|
ボタ山ならんである陽がぬくい | 山頭火 |
旧道烏尾峠には山頭火「迷うた道でそのまま泊まる」の句碑もあるそうだが、遠くていけない。 |