田原と十日市場の境にあり、白根の滝、白滝ともいわれた。 古くから名瀑として知られ、松尾芭蕉ほか、谷村を訪れた文人墨客に称賛されてきた。 かつては2段の滝であったが、明治31年に両岸が崩れて1段の滝となり、さらに関東大震災以降も崩壊が続き、上流に30メートル後退した。 往時の姿は失われているが、両岸には富士の溶岩が急激に冷却凝固して出来た「柱状節理」が認められ、地学的にも貴重な存在である。
都留市教育委員会
|
春吟 | ||||||
勢ひあり氷消ては瀧津魚 | 芭蕉翁 |
|||||
此句今までの撰にもれたる |
||||||
よし、但州より告げたり。 |
『俳諧一葉集』には考證として「勢ひなり氷きえては瀧津魚」とある。 『芭蕉翁句解参考』には次のような句形で3句収録されている。 |
甲州郡内といふ瀧にて 勢ひある山辺も春の瀧川魚 きほひありや氷柱化しては滝の魚 勢ひなり氷きえては瀧つ魚 |
白瀧 谷村の西二十町斗り八日市といへる町はつれにあり 蕉翁しはらく此地に遊んて句有り いきほひあり氷柱消てハ瀧津魚 其真蹟鳴屋何某か家に秘藏す予も是に倣て いきほひの稲妻消すや瀧の音 |
「甲斐郡内谷村に白滝といふ滝あり。また田原の滝とも云ふよし、此滝にての句なるよしと伝ふ。」と底本にあるそうだが、「底本」が分からない。 |
甲斐谷村の西に白瀧といへる有 蕉翁此地に遊びていきほひあり。 氷柱消ては瀧津魚 其眞蹟、某が 家に秘蔵す。予も是に倣て いきほひの稲妻けすや瀧のおと |
都留市には桂町の宝鏡寺にも芭蕉の句碑があるそうだが、今日は歩き疲れたので後日とする。 |