大正12年11月10日、若山牧水は十文字峠を越えて秩父に入る。十文字峠は甲武信岳の北にある。 |
昨日信州千曲川の水源地帯から十文字峠といふを越えて秩父に入り、栃本といふに泊り、けふ三峰山に登り、今朝見て來た渓の眺めの美しかつたのが忘られかねて、また斯うした所まであと返つて來てゐます。
秩父奥、大瀧村落合伊豆屋より |
三峰山という名称は、三峯神社の背後に妙法ケ岳(標高1,329m)、白岩山(標高1,921m)、雲取山(標高2,017m)の三山がそびえることに由来しているという。妙法ケ岳に三峯神社奥宮がある。 |
この建物は明治18年6月9日に落成した請願巡査の詰所である。もと旧本堂の脇にあったが、昭和55年この地に移築し、歴史資料として保存することにした。 請願巡査の制度は明治14年に制定され、正規の巡査派出所以外に、個人の家や神社などへ巡査を派遣したものである。この場合の費用は申請人の負担とされていた。 三峰神社では明治17年の秩父事件以後の治安の乱れを恐れて、明治18年5月3日、時の県令吉田清英に巡査の派遣を請願した。そして5月9日に県令はこれを許可し、詰所が建築され、巡査1名が配置されたのである。 |
御祭神は伊弉諾命(いざなぎのみこと)・伊弉册尊(いざなみのみこと)で日本民族の始祖と仰がれる神さまです。日本では最初の夫婦神で、日本の国、民俗はこの神によって産みなされました。
詳しくは鈴木三重吉『古事記物語』
創祀は景行天皇41年(111年)日本武尊によって祀られ、後に神仏混淆のお山となり、別當観音院が設けられて、山伏の修行場ともなりましたが、明治維新で本来の神社に戻りました。 |