2024年奈 良

新薬師寺〜會津八一の歌碑〜
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奈良市高畑町に新薬師寺がある。

天平19年(747年)、光明皇后が聖武天皇の病気平癒のため建立。

華厳宗の寺である。

金 堂


    新薬師寺の金堂にて

たびびと に ひらく みだう のしとみ より

めきら が たち に あさひ さしたり


八重桜が咲いていた。


人は少ない。

拝観料は600円。

本尊は薬師如来。

塑造十二神将立像は国宝である。

撮影は厳禁。

會津八一の歌碑があった。


ちかつきてあふき
  みれともみほとけの
 みそなはすとも
  あらぬさひしさ
  秋艸道人

歌集『鹿鳴集』の「南京新唱」にある「香薬師を拝して」2首の2首目。

「あふぎみれども」 高さ二尺四寸の立像にて、決して高しとはいふべからざるも、薬師堂の正面の壇上に、やや高く台座を据ゑたれば、「仰ぎ見る」とは詠めるなり。

この歌の作者自筆の碑は、今虚しくその堂の前に立てり。嶋中雄作君の建つるところ。

『自註鹿鳴集』

昭和17年(1942年)4月、建立。最初の會津八一の歌碑である。

昭和18年(1943年)、「香薬師」は盗難に遭い、現存しない。

「香薬師」 奈良時代前期と思しき形式を、その製作の細部に有する小像にて、傑作の名高かりしを、昭和十八年(一九四三)第三回目の盗難に罹りたるままにて、遂に再び世に出で来らず。惜みても余りあり。

『自註鹿鳴集』

猿沢池へ。

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