ここに来て落日を見るを常とせり |
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海の落日も忘れざるべし |
大正9年(1920年)10月15日午後1時、斎藤茂吉は小浜温泉に着き柳川屋旅館(現在の伊勢屋旅館)に投宿。 |
砂濱に外人ひとりところがりて戯れ遊ぶ日本のをみな 鹽はゆき温泉(いでゆ)を浴みてこよひ寝む病癒えむとおもふたまゆら ここに來て落日を見るを常とせり海の落日(いりひ)も忘れざるべし 温泉(うんぜん)の山のふもとの鹽の湯のたゆることなく吾は讃(たた)へむ |
10月20日、斎藤茂吉は小浜温泉発。12時22分、彼杵着。夕方嬉野温泉に着く。 |
大正11年(1921年)3月21日、高浜虚子は島原鉄道愛野駅から乗合自動車で小浜温泉へ。小浜温泉から貸切の自動車で雲仙温泉に行く。 |
此日の天候は風は凪いで居たが寒さはなほ強い。諫早で島原鐡道に乘り換へて愛野驛で下車。乘合自働車に乘つて小濱につく。小濱までの道は海岸づたひの峠を二三度越えるのである。千々石彎の風光がいゝ。 小濱と言ふ所は温泉宿等もあつて相當賑かな所である。此處で乘合自働車を捨てゝ、貸切の自働車に乘つて温泉に行く。温泉までの道は悉く上り坂であつて、急角度をなして曲つて居る處も多い。それを運轉手は巧みに梶を取つて自働車を驅る。九州ホテルにつく。 |
昭和27年(1952年)5月21日、水原秋桜子は諫早から雲仙に向かう途中、小浜温泉辺りを通る。 |
諫早着。バスにて雲仙へ向ふ。小浜温泉あたり 二句 麦熟るゝ日や天草に雲浮び アマリゝス防波堤内潮あをし
『残鐘』 |