俳 文
『奥の細道』

おくのほそ道の紀行文



| 山形領に立石寺と云山寺あり |
| 慈覺大師の開基にして殊清 |
| 閑の地也一見すへきよし人々 |
| のすゝむるに依て尾花沢より |
| とつて返し其間七里はかり也 |
| 日いまた暮す梺の坊に宿かり |
| 置て山上の堂にのほる岩に |
| 巌を重て山とし松栢年旧 |
| 土石老て苔滑に岩上の院々 |
| 扉を閉て物の音きこえす岸 |
| をめくり岩を這て仏閣を拝し |
| 佳景寂寞として心すみ行のみ |
おほゆ |
| 閑さや岩にしみ入蝉の聲 |
