右側 果樹手入れする吾に蝶の生まれけり 中央 島山の春をはこんで来し燕 |
天高し雲行く方かたに我も行く 十月十三日 日比谷公園、松本楼
『六百句』 |
一粒の砂の 千分の一の大きさは 世界の 大きさである |
碑は昭和40年に建立されたもので、碑文は伝治の「軍隊日記」から同郷の詩人壺井繁治が選び染筆した。 伝治は明治31年12月12日、苗羽村の農家の5人兄弟の長男として生まれた。島の乙種実業補習学校を卒業して、近くの醤油工場で働いたのち、文学を志して上京し、早稲田大学文科予科に入学した。 作品には、「軍隊日記」「二銭銅貨」「武装せる市街」「渦巻ける烏の群」「雪のシベリア」「豚群」などがあり、発表はいずれも左翼の「戦旗」などであった。 昭和18年、45歳の若さで亡くなったが、「二銭銅貨」は代表作として貴重な日本の文学遺産でもある。 |