新年の旅日記

氣比神宮〜お砂持ち神事〜
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敦賀市曙町に氣比神宮がある。

氣比神宮鳥居


 広島県の厳島神社と奈良県の春日大社と並び、日本三大鳥居(日本三大木造鳥居)と呼ばれる鳥居の一つだそうだ。

芭蕉像


台座正面に芭蕉の句が刻まれている。


月清し遊行のもてる砂の上   はせを

昭和57年(1982年)11月、建立。富永直樹作。

芭蕉像のこと

 片雲の風にさそわれて元禄2年3月27日江戸深川の草庵を立った芭蕉は日々旅を栖として敦賀に杖を止めたのは、その年の8月14日夕刻である。

 芭蕉はまず待宵のここ気比神宮に詣で月下の社頭で二代遊行上人砂持ちの古例を知り深く感じて「なみだしくや遊行のもてる砂の露」と詠み、更に推敲を重ねて

   月清し遊行のもてる砂の上   芭蕉

となし「おくのほそ道」にこの句をとどめた。

 この由緒深い神域にこの度日本芸術院会員富永直樹氏の創作になる芭蕉像の建立を見たことは、この地に相応しい盛事であり俳諧の誠を伝えて意義が深い。

 仰ぎ見る芭蕉像には長途の漂泊の果てに得た安らぎの姿をとらえて余すところがない。なお台座正面の芭蕉の句は敦賀市新道野の西村家秘蔵の素龍本「おくのほそ道」の原本より書体を写した。

季石記す

気比神宮大鳥居の向かいに「遊行上人のお砂持ち像」がある。


お砂持ち神事の由来

 正安3年(1301年)に、時宗2代目遊行上人他阿真教が諸国巡錫の砌、敦賀に滞在中、氣比社の西門前の参道、その周辺が沼地(この時代には氣比神宮あたりまで入江であった。)となって参拝者が難儀しているのを知り、浜から砂を運んで道を造ろうと上人自らが先頭に立ち、神官、僧侶、多くの信者等とともに改修にあたられたという故事に因み、「遊行上人のお砂持ち神事」として今日まで時宗の大本山遊行寺(藤沢市の清浄光寺)管長が交代した時にこの行事が行われている。

 元禄2年、奥の細道紀行で敦賀を訪れた芭蕉は「月清し遊行のもてる砂の上」と詠んでいる。

 大正8年(1919年)、他阿真円上人は愛知県矢作町(現・岡崎市)の時宗誓願寺にて出生。

 昭和24年(1949年)、矢作保育園を創設し、園長となる。

 平成15年(2003年)、宗祖御廟所真光寺住職となる。同7月、一遍上人から数えて七十四代目の時宗法主となる。

 平成30年(2018年)、二祖真教上人七百年御遠忌。