大正14年(1925年)、芝不器男は東京帝国大学から東北帝国大学工学部機械工学科に転じ、瑞雲寺に寄宿する。 大正15年(1926年)9月24日朝10時頃、芝不器男は仙台に着く。 |
仙台尓つく みちハる可奈る伊豫の わ可家をおもへハ あ奈た奈る 夜雨の葛のあなた可南 |
高浜虚子は、「この句は作者が仙台にはるばるついて、その道途を顧み、あなたなる、まず白河あたりだろうか、そこで眺めた夜雨の中の葛を心に浮かべ、さらにそのあなたに故国伊予を思ふ、あたかも絵巻物風の表現をとったのである。」と評している。 |
澤の邊に 童と居りて 蜘蛛合 |
風鈴の 空ハ 荒星は可り か奈 |