芭蕉の句碑
夏來ても只ひとつ葉の一葉哉
港区北青山のキラー通りに面して青山海藏寺という寺がある。
青山海藏寺
寛文11年(1671年)、開創。黄檗宗の寺である。
戦災で類焼し、全ては戦後の建物である。
朱色の楼門を入ると、左に芭蕉の句碑があった。
夏來ても只ひとつ葉の一葉哉
「ひとつ葉」は、ウラボシ科の常緑多年生のシダ。夏の季語。
出典は『笈日記』。
貞享5年(1688年)、『笈の小文』の旅の帰路岐阜付近の山中で詠まれた句。
貞享5年9月30日、元禄に改元。
芭蕉45歳の時である。
平成7年(1995年)11月、再建されたものらしい。
隣に文化14年(1817年)建立の句碑がある。
戦災を被って割れたのをつぎ合わせて復元してある。
[一]葉墳
夏来ても只ひとつ葉の一葉哉
新旧ふたつの句碑の間にもうひとつ句碑があった。
蝶鳥もしらぬ花あり秋のそら
上部は欠落したままである。
『芭蕉句選拾遺』に「蝶鳥のしらぬ花あり秋のそら」とあるが、存疑句である。
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