芭蕉の句碑
紫陽花や帷子どきのうす浅葱
JR上越線渋川駅から市役所通りを行くと、平沢川沿いに小野池あじさい公園がある。
小野池あじさい公園に芭蕉の句碑があった。
紫陽花や帷子どきのうす浅葱
出典は天野桃隣『陸奥鵆』。作句時期は不明。
帷子(かたびら)は夏用の麻の小袖。うす浅葱(あさぎ)はわずかに緑色を帯びた薄い青。また、青みをおびた薄い緑色。
この句の碑は栃木の四季の森星野にもある。
芭蕉が紫陽花を詠んだのは、この2句だけらしい。
小野池あじさい公園というぐらいだから、紫陽花が咲く。
大島アジサイロードの紫陽花
紫陽花(あじさい)はユキノシタ科の花。
小野池あじさい公園に萬葉の歌碑もあった。
あじさいの八重咲く如くやつ世にをいませわが夫子(せこ)見つつしのばん
『万葉集』(巻20)、左大臣橘諸兄の歌である。
言問はぬ木すら味狭藍諸弟(もろと)らが練の村戸(むらと)にあざむかえけり
『万葉集』(巻4)、大伴家持の歌。
『万葉集』で紫陽花が詠まれているのは、この2首だけだそうだ。
ちなみに小林一茶が紫陽花を詠んだのも、2句だけ。
鳴海
紫陽花や己が気儘の絞り染
『俳諧五十三駅』
紫陽花の末一色と成にけり
『文化句帖』(文化元年)
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