2023年青 森

赤い絲のモニュメント〜青い海公園〜
indexにもどるindexにもどる

JR奥羽本線新青森駅


青森駅へ。

昭和12年(1937年)、峯田義郎は山形県山形市生まれる。

青い海公園に「赤い絲のモニュメント」があった。


峯田義郎制作

あおもり街てく

赤い絲のモニュメント

太宰治のエピソード

作品集「晩年」のなかに太宰治の幼年期・少年期を描いた小説「思ひ出」が収録されており、その中で太宰治が旧制青森中学校在学中、弟とともに青森港の桟橋へ出かけ、青函連絡船を眺めながら男女を結ぶ「赤い絲」の物語について語りあっている。

また、市内にはゆかりの地として、挿話を基に、函館と青森の両市民の協力により、お互いの絆を深めるモニュメントとして、旧制青森中学校へ通学時下宿していた「太宰治下宿の地」が常光寺前にある。

左太宰治、中央に弟礼治


青函ツインシティ

青森市と函館市は、平成21年(2009年)が青函ツインシティ提携20周年、太宰治生誕100年、函館開港150周年の節目の年にあたることから、太宰治の幼年期・少年期を描いた小説『思ひ出』の中で、青森港桟橋から海峡を渡る連絡船を眺めながら弟と2人で語り合う”赤い絲”にまつわる挿話を基に、運命の女性と結ばれる”赤い絲”について語り合った挿話を基に、青函両市共同の「赤い絲プロジェクト」により、「赤い絲のモニュメント」を設置した。

青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸


 秋のはじめの或る月のない夜に、私たちは港の棧橋へ出て、海峽を渡つてくるいい風にはたはたと吹かれながら赤い絲について話合つた。それはいつか學校の國語の教師が授業中に生徒へ語つて聞かせたことであつて、私たちの右足の小指に眼に見えぬ赤い絲がむすばれてゐて、それがするすると長く伸びて一方の端がきつと或る女の子のおなじ足指にむすびつけられてゐるのである、ふたりがどんなに離れてゐてもその絲は切れない、どんなに近づいても、たとひ往來で逢つても、その絲はこんぐらかることがない、さうして私たちはその女の子を嫁にもらふことにきまつてゐるのである。

太宰治『思ひ出』

2023年青 森〜に戻る