夏山の襟を正して最上川 白糸の滝も眺めや最上川 六月五日・六日 猿羽根峠。 |
天童を出て羽黒山に向つた。最上川の舟著場。子規はこゝから舟に乗つた。芭蕉もこゝから舟に乗つた。父はそのまゝ猿羽根(さばね)峠を越え、最上川に沿つて自動車を駆つた。最上峡で両岸に夏山の迫つてゐる所に出た。
『虚子一日一句』(星野立子編) |
「最上川のほとり一栄子宅におゐて興行」と結ばれている。芭蕉の泊った一栄の家が現在の板垣氏の家だ。 さみだれのその発句は句碑になって西光寺に建っている。それを板垣氏と見に行く。 歌仙の字を引伸ばしたのだ。 さみ堂礼遠あつ免てすずしもがみ川 一栄の家の裏は最上川であった。その家から、五月雨に水量増し、川幅の拡がった最上川を見ていると、いかにも涼しく思われるのだ。 建立の年代は明和年間か。
『句碑をたずねて』(奥の細道) |
さみ堂礼遠あつめてすゝしもかミ川 | 芭蕉 | |
岸にほたるを繋ぐ舟杭 | 一栄 |