2008年栃 木

宇都宮二荒山神社〜若山牧水〜
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宇都宮市馬場通りに宇都宮二荒山神社がある。


宇都宮二荒山神社の石段


 元禄9年(1696年)7月、天野桃隣は『奥の細道』の跡をたどる旅の帰途で宇都宮二荒山神社に登り、句を詠んでいる。

 宇津宮へかゝり、社頭に登て叩首(ぬかづく)に、額日光宮と書リ。二荒を遷敬し奉る(り)けるにや。

   ○笠脱ば天窓撫行一葉哉


 享保元年(1716年)4月16日、稲津祇空は奥羽行脚の途上早見晋我・常盤潭北と宇都宮二荒山神社を訪れている。

十八日、うつの宮にゆく。正一位勲一等日光山大明神と額にあり。宮殿たかし。

   緑くらく町かゝへたり一宮居


 元文3年(1738年)4月15日、田中千梅は松島行脚の途上、宇都宮二荒山神社に参詣している。

十五日逗留宇都宮大明神に詣す或抄に宇都宮ハ日光権現の別宮と云り正一位勲一等日光大明神の額あり


宇都宮二荒山神社


下野国一宮である。

御祭神は豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)、日光の二荒山神社と祭神が異なる。

 大正9年(1920年)4月19日、若山牧水は宇都宮二荒山神社表参道の桜を歌に詠んでいる。

ひとしきり散りての後をしづもりてうららけきかも遠き桜は

宇都宮二荒山神社からみはし通りを行くと、町中を釜川が流れる。


釜川に架かる御橋の下流に若山牧水の歌碑があった。


まちなかの小橋のほとりひややけき風ながれゐてさくら散るなり

第13歌集『黒土』所収の歌である。

昭和63年(1988年)7月、釜川の河川改修を記念して歌碑建立。

 『若山牧水歌碑インデックス』(榎本尚美、榎本篁子著)によれば、全国で155番目の牧水碑である。

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