『古今六帖』(詠み人知らず)の「下野や室の八嶋に立つけぶり思いありとも今こそは知れ」も刻まれているようだが、読めない。 |
栃木市指定文化財 |
大神神社は、今から1800年前、大和の大三輪神社の分霊を奉祀し建立したと伝えられ、祭神は大物主命です。 惣社は、平安時代、国府の長官が下野国中の神々にお参りするために大神神社の地に神々を勧請し祀ったものです。 また、この地は、けぶりたつ「室の八島」と呼ばれ、平安時代以来東国の歌枕として都まで聞こえた名所でした。幾多の歌人によって多くの歌が、残されています。 |
煙たつ室のやしまにあらぬ身はこがれしことぞくやしかりける | 大江匡房 |
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いかでかはおもひありともしらすべきむろのやしまのけぶりならでは | 藤原実方 |
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くるる夜は衛じのたく火をそれと見よむろのやしまも宮こならねば | 藤原定家 |
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ながぶればさびしくもあるか煙たつ室の八島の雪の下もえ | 源実朝 |
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東路の室の八島の秋のいろそれともわからぬ夕けふりかな | 連歌師宗長 |
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糸遊に結びつきたるけぶりかな | 松尾芭蕉 |
栃木市教育委員会 |
室の八島見にまかりける人の誘ひ侍けるに、さはる事ありて 申つかはしける
藤原親朝
煙なき室の八島と思ひせば君がしるべに我ぞたゝまし
『続拾遺和歌集』 |