晩食前散歩。赤阪見附を過ぎし時、一群の鴻雁高く鳴きつれて薄暮の空を過ぐ。近年雁聲を聞くこと罕なれば、路頭に杖を停めて其影を見送ること暫くなり。
『斷腸亭日乘』(大正11年12月20日) |
明治17年(1884年)6月17日、三野村利助・奥八郎兵衛等は「星岡茶寮」を開寮。 大正14年(1925年)3月20日、中村竹四郎が社長、北大路魯山人が顧問となり、美食倶楽部の会員制料亭となる。 |
この店の主人はもと麹町山王社内に在りし酒樓星岡茶寮を營みし者なりとか聞けり。震災後舊の如く營業すれど主人は別人なりと云ふ。
『斷腸亭日乘』(大正14年12月31日) |
昭和11年(1936年)、中村は魯山人を解雇。 昭和20年(1945年)、空襲によって焼失。 |
昭和38年(1963年)6月20日、名門料亭「星岡茶寮」の跡地に「東京ヒルトンホテル」が誕生。 |
昭和59年(1984年)元旦、「キャピトル東急ホテル」にテイクオーバー(引き継ぎ)。 平成22年(2010年)秋、「ザ・キャピトルホテル東急」としてオープン。 |