下　町〜文京区


蓮久寺〜井上唖々子〜

文京区白山に蓮久寺という寺がある。


日蓮宗の寺である。

大正１１年（１９２２年）４月２５日、永井荷風は井上唖々子の父如苞翁の葬儀で蓮久寺を訪れている。

日の光早くも夏となれり。午下小石川原町蓮久寺にて、井上君先考の葬儀あり。 『斷腸亭日乘』

井上唖々子は本名精一。永井荷風の親友だった。

大正１２年（１９２３年）７月１１日、没。

午後速達郵便にて井上唖々子逝去の報來る。夕餉を食して後東大久保の家に赴く。既に靈柩に納めたる後なり。弔辭を延べ燒香して歸る。 『斷腸亭日乘』

大正１２年（１９２３年）９月１日、関東大震災。 大正１３年（１９２４年）４月２０日、永井荷風は蓮久寺を訪れた。

午後白山蓮久寺に赴き、唖々子の墓を展せむとするに墓標なし。先徳如苞翁の墓も未建てられず。 『斷腸亭日乘』

井上唖々子の墓があったそうだが、見なかった。

招福亀岩


本念寺へ。

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