正岡子規の句碑
草薙温泉
正岡子規は、明治26年(1893年)、7月19日から8月20日までの約1ヶ月間、芭蕉の足跡を訪ねて東北地方の旅した。 |
九日早起舟に上る。曉霧濛々夜未だ明けず。 すむ人のありとしられて山の上に 朝霧ふかく殘るともしび 古口より下十二里の間山嶮にして水急なり。雲霧繚繞(れうぜう)して翠色模糊たるのあはひあはひより落る幾條の小瀑隠現出没其数を知らず。而して小舟駛(は)する事箭(や)の如く一瞬一景備(つぶ)さに其變態を極む。曾て舟して木曾川を下る潛(ひそ)かに以て最奇景となす。然れども之を最上に比するに終に此幽邃(いうすゐ)峻奥(しゆんあう)の趣に乏しきなり。 立ちこめて尾上もわかぬ曉の 霧より落つる白糸の瀧 朝霧や四十八瀧下り船 |
白糸の滝は日本の滝100選の1つで、高さ124mの名瀑。源義経一行が奥州へ逃げる時、北の方から滝の名を聞かれた家来がとっさに答えたのが名の由来だと言われているそうだ。 |