2019年大 分

竜門の滝〜高浜年尾の句碑〜
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九重町松木に竜門の滝がある。

竜門の滝由来

国定公園であり元内務省名勝指定地「竜門の滝」は寛元年中(750余年前)鎌倉時代に宋朝より蘭渓道隆禅師が来朝の砌り当地に杖を留められ、この滝をご覧になられ形容が唐土河南府の竜門の滝に似ているので、この滝を「竜門の滝」と名付け、またこの地の奇景12の名所を定め傍に一寺を建立し吉祥山竜門寺とされました。

それより宝永6年まで503年に至る間の天正年中の兵火により伽藍は残らず炎焼し久しく廃絶のところ、宝暦のはじめ新たに寺坊建立され今日に至っております。

尚、近年有志の方により俳聖芭蕉の末流として有名な郷土の俳人馬貞翁の句碑「唐うつす滝の気色や寒のうち」をはじめ、同じく郷土の名画伯「珠渓翁」の筆塚が建立され錦上更に錦を添えた風情があります。

因に、当寺は禅宗三派(曹洞宗、臨済宗、黄檗宗)のうち黄檗宗寺院であります。

長野馬貞の句碑


唐移す
瀧の気色や
寒のうち

 寛文11年(1672年)12月22日、長野馬貞は豊後に生まれる。医業のかたわら志太野坡に俳諧を学ぶ。別号瓢々坊。

元文5年(1740年)1月3日、野坡は79歳で没。

寛延3年(1750年)9月19日、馬貞は80歳で死去。

 昭和36年(1961年)3月13日、高浜年尾は竜門の滝に遊ぶ。

   三月十三日 町田駅着、竜門滝に遊ぶ 三日月滝も見
   る 九重町、足立山彦方泊

十人で鹿一頭の猟話

春光や竜門の滝裳裾曳く

竜門の滝へ湧き立つ木の芽かな

春の滝白き裳裾を岩に伸べ

竜門の滝壺に鴨来て遊ぶ

川ここに滝となり落ち川鴉

『句日記』(第一巻)

境内に高浜年尾の句碑があった。


春の滝白き裳裾を岩に展べ

 昭和40年(1965年)5月5日、高浜年尾は句碑除幕式に参列し、記念句会。

   同日 竜門の滝ほとりの句碑除幕に列し、記念句会

春惜む人竜門の滝に集る

『句日記』(第二巻)

境内から竜門の滝を見る。


正面から竜門の滝を見る。


夏には滝すべりをするそうだ。

人は少なかった。

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