昔の温泉
湯沢温泉「雪国の宿高半」
昭和7年(1932年)5月11日、与謝野晶子・鉄幹は湯原温泉から清水峠を越え、湯沢温泉「高半旅館」に泊まっている。 |
高半の奥の二階のすみの間に雪の山見て越の夜となる 夜の膳のあけびの若き蔓噛めば霧の香ひす越の湯の宿
「山のしづく」 |
「高半」は川端康成が昭和9年から3年間宿泊し、小説『雪国』を執筆した宿である。 |
昭和14年(1939年)11月、北原白秋は「高半旅館」に泊まっている。 |
湯沢の宿 山国はすでに雪待つ外がまへ簾垂りたり戸ごと鎖しつつ 冬の宿屋内(しゆくぬち)暗きに人居りて木蓼(またたび)食(は)むかひそと木蓼 父(とと)が曳く柴積み車子が乗りてその頬かぶり寒がり行きぬ
『黒檜』 |