鳴子何の地ぞや。蒙古王とて名高き佐々木安五郎氏が、先頃鳴子の町長に擬せられしことは新聞にも出でて、普く世に知られし所也。近く逝きし町長は、高橋萬兵衛氏とて、鳴子ホテルを営めり。
去年の春と秋二度余は鳴子ホテルに投じて高橋氏の優遇を受けたり。未だ鳴子を記せざるに、高橋氏先づ逝く。余に在つては、剣を懸くるの感に堪へざる也。
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「鳴子ホテル」の源泉

「鳴子ホテル」には3つの源泉があるそうだ。
大浴場「芭蕉の湯」は広いが、入浴客も多いので、写真は撮れない。
源泉名は鳴子ホテル1号2号3号混合泉
泉質は含硫黄−ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉 低張性弱アルカリ性高温泉(旧泉質名 含食塩・芒硝−硫黄泉)。pH8.0。泉温は85.0℃。
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絶えず源泉が注がれているが、それが掛け流しというわけではないと思う。
「芭蕉の湯」の露天風呂

露天風呂の奥に見えるのが大浴場「芭蕉の湯」。
「鳴子ホテル」の前に斎藤茂吉の歌碑があった。

おのずから硫黄の香するこの里に一夜のねむり覚めておもへる
昭和6年11月19日、当ホテルにて歌人斎藤茂吉詠めり
出典は『石泉』。
昭和63年(1988年)9月1日、建立。加納鳴鳳、筆。
斎藤茂吉記念館によれば76番目の茂吉の歌碑である。
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