花のいのちは
みじかくて、
苦しきことのみ
多かりき |
林芙美子が日々の生活に疲れ、傷心を癒す旅に選んだ先が直江津でした。 「放浪記」には、芙美子が見たまちの人々のたくましくも心豊かに生きる姿が描かれています。 この碑は「放浪記」の初演以来、二千回に及ぶ上演の偉業によって、国民栄誉賞を受賞された女優 森光子さんの栄誉をたたえ「放浪記」ゆかりの地、直江津の人たちが記念の碑を建てようと計画し、揮毫をお願いしたものです。この碑は市民の寄付と上越市地域活動支援事業費によって建てられました。 |
私が青い時間表の地図からひろった土地は、日本海に面した直江津という小港だった。 ああ、海と港の旅情。こんな処へ行ってみたいと思う。 これだけでも、傷ついた私を慰めてくれるに違いない。 |
大正も終りに近い年の九月、まだ無名の林芙美子は、灯りのつき初めた直江津駅前に立ちます。 なかなか開けない文筆家への道、家族の生計をささえる日々、そんな生活に疲れ果て、旅に出ようと時間表から見つけ出したのが直江津でした。 しかし、忙しそうに立ち働くまちの人たちの逞しさを目の当たりにし、駅の待合室で「継続だんご」を食べているうちに、生きる力を取り戻し東京へ帰って行くのでした。 原本所蔵・東京都新宿歴史博物館
三八朝市周辺まちづくり協議会 |