2006年長 野

安楽寺〜八角三重塔〜

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別所温泉臨泉楼柏屋別荘」から安楽寺(HP)へ。


安楽寺は曹洞宗の寺である。

安楽寺に国宝の八角三重塔がある。

去年の夏にも訪れたが、季節が変わると、趣も変わるかもしれない。

杉木立の中の石段を登ると、山門。


山門を潜ると、鐘楼がある。


本堂の所で拝観料100円を払う。

本堂の脇から石段を登ると、窪田空穂(1877−1967)の歌碑がある。


老の眼に観る日のありぬ別所なる唐風八角三重塔

昭和39年(1964)夏、窪田空穂は安楽寺の国宝三重塔を詠んだ。

さらに行くと、島木赤彦(1876−1926)の歌碑がある。


山かげに松の花粉ぞこぼれけるここに古りにしみ佛の像

歌碑に人の姿が映っている。

大正12年(1923年)の春、島木赤彦は別所温泉に遊び、この歌を詠んだ。

 大正12年(1923年)4月中旬、北原白秋は別所温泉を訪れ柏屋本店に数日滞在、安楽寺を訪れている。

   安楽寺 春昼散策の二

日のあたる築地のもとに絮(わた)ふかき御形が咲きてうれしき御寺

萱ふかき御堂は框(かまち)光らずて障子いつぱいの閑けき光

おとなひて待つ間は久し檐(のき)板の影は砌の外に移りぬ

寺庭の春の日向に閑けさよ山杉の風まれに音して

寺の子は日蔭の砌つたひ飛び素足さみしか眩し目をせり

『海阪』(道のべの春)

最後に石段を登って、八角三重塔。

国宝八角三重塔


昭和27年(1952年)3月29日、長野県で最初の国宝に指定された。

 「四重塔に見える。」と言っている人がいたので、「一番下は裳階(もこし)だと書いてある。」と教えてあげた。

建立年代は鎌倉末期または室町初期。

 建築様式は禅宗様(鎌倉時代に宋から禅宗に伴って伝来した様式で唐様ともいう)八角三重塔で、初重に裳階(もこし)(ひさしまたは霜よけの類)をつけた珍しい形式であるうえに細部もまた、禅宗様の形式からなり類例が少ない。

北向観音堂へ。

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