霧島は |
|
馬の蹄にたててゆく |
|
埃のなかに |
|
遠ぞきにけり |
「十八日 日向の小林より乗合馬車に身をすぼめてまだ夜のほどに宮崎へ志す 霧島に馬の蹄にたててゆく埃のなかに遠ぞきにけり」
『長塚節集』(角川書店)
野尻町にゆかりのある長塚節の歌碑です。長塚節は茨城県の人です。正岡子規に師事しました。節が野尻を通ったのは大正3年(1914年)8月18日のことです。野尻の松並木越しに霧島山を望み、歌を詠みました。 節は憧れの地青島で砂にくるまって病身をいたわりたかったようです。旅の好きな節でしたが、しかし日向路を訪れてから翌年の2月8日、九大付属病院で亡くなりました。37歳の短命でしたが、多くの優れた歌を後世に残し、人々に深い感銘を与えました。 ここ霧島山の見える大塚原の地に歌碑を建立して長塚節の業績を顕彰します。 |