虚子の句碑
秋天や羽山の端山雲少し
昭和二年七月、さる新聞社の主催で、新日本八景の投票を募った時、ここの温泉は全国第一位の得票があった。虚子翁は親しくその実境を審査し大いにこれを推称せられた。昭和八年九月再遊の時、花巻温泉会社の需により、春秋の二句を揮毫され、翌年四月、前記の句碑と同時に、花巻温泉射的場にも建設されることになった。碑形も石材も二基ほぼ同様の角碑である。 |
羽山はこの句碑の後ろに見える山。端山は連山のはしにあるやまのこと。 昭和8年8月、北海道旅行の帰途来訪。星野立子、中村草田男らが同行し、地元俳人多数が参加して紅葉館にて歓迎句会が催された。碑はその際に作られた句。 |
花巻温泉句碑 春山もこめて温泉(いでゆ)の國造り 八月五日。花巻温泉句碑の句。 花巻温泉 秋天や羽山の端山雲少し 釜淵の滝 岩刳つて作りし瀧の如くなり 八月二十九日。花巻温泉、松雲閣。
『五百句時代』 |