虚子の句碑
蔓もどき情はもつれやすき哉
十月十一日。土曜会。本町。掛川故郷居 蔓もどき情はもつれ易きかな こゝもとで引けばかしこで鳴子かな |
蔓もどきは蔓梅擬である。人情の世界の葛藤をふと想うているのである。とかくもつれ易いのが情事には多い。 |
この句は高濱虚子の作品で、1947年に詠まれ、1948年10月の「ホトトギス」に掲載されました。その後、1958年12月に虚子の集大成である「虚子百句」が出版され、これを機会に、終生の友情の証しとして、三輪田元道校長にこの句が贈られ、1959年6月に、校内に、句碑が建設されました。現在の句碑の位置は、1901年9月から1909年12月にかけての虚子の住居、及び、「ホトトギス」の発行所(麹町区富士見町4丁目8番地)の筋向かいに当たります。高濱家と三輪田家が、松山市が縁で、筋向かいに住み、親しく付き合っていたことから、校舎改築を機会に、この場所に句碑を移設しました。 虚子は1910年12月から鎌倉市に転居しましたが、三輪田眞佐子(当時の校長)と養子の元道も鎌倉市に別宅を持っており、親しい付き合いが、そこでも続いていました。 また、虚子の長女の眞砂子は、本校 高等女学校を1915年に卒業しました。
三輪田学園 |