虚子の句碑
ゴルフ場に下り立てばつゝじ叢高く
大正11年(1922年)3月21日、高浜虚子は「九州ホテル」支配人の案内でゴルフ場を見に行った。 |
支配人の案内でゴルフ場になつて居る妙見ケ嶽の麓の芝原を上る。仁田まで上ると山の彼方も展望するといふ事であつたが、道の半ばで御免を蒙つた。併しその高きに上つて下の五萬坪許りのゴルフ場を見渡した光景は頗るいゝ。土地が乾いて空豁な所は普通の温泉場では見られぬ光景であつて、一寸經井澤などに似た趣がある。 |
昭和30年(1955年)5月18日、高浜虚子は島原から雲仙を越え、長崎へ。 |
五月十八日 夏目義明東道にて雲仙を越え、長崎、桃太郎泊り ゴルフ場に下り立てば躑躅叢たかく 妙見に白雲ゆきゝ躑躅原 夏海にあまり温泉そゝぎ小浜の温泉 天草は卯月曇のいまは濃く 天草の島山高し夏の海 |
ゴルフ場に下り立てば |
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つゝじ叢高く |
十月三日 福岡ホトトギス勉強会 大平山より島原に 渡り雲仙を周遊、ゴルフ場の虚子句碑移転されたるも 見て島原へ戻り、米屋旅館泊り 島間ひの早潮を打ち冬鴎 なほ盛んなる冬紅葉点綴す 雲仙を隔て眉山粧へり
『句日記』(第二巻)
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