虚子の句碑

能登言葉親しまれつゝ花の旅


 昭和24年(1949年)4月27日、高浜虚子は和倉温泉から輪島へ。翌28日、永福寺で能登ホトトギス俳句大会が開かれた。

四月二十七日。加賀屋にて句謠会。素十、櫻坡子来り会す。午後
輪島に行き鳳来館泊り。

 家持の妻恋舟か春の海

 能登言葉親しまれつゝ花の旅

 春も亦北国日和定めなき


 輪島市河井町の一本松公園に高浜虚子の句碑があるというので、探してみた。

 石川県道1号七尾輪島線輪島駅前交差点を一本松公園に向かって上っていくと、左手に高浜虚子の句碑があった。


能登言葉親しまれつゝ花の旅

何の説明もなく、ちょっと見ただけでは句碑とは思えない。

碑陰は読めなかった。

 昭和二十四年春、和倉から更に奥能登へと吟遊されたときの社中詠である。

 碑は能登輪島一本松公園にあり、碑陰には「昭和二十四年四月二十八日 蝸牛会」と記されて居るが、建碑は当時の輪島町町会の議決を経たものであった。碑石は銅所にもとからあった要石という自然石をそのまま利用して彫り込まれた。高さ十二尺、幅六尺、厚さ三尺の巨石である。故川名句一歩和尚が真言秘密の儀を修じ除幕式を行った。(東京・堀場定祥氏報)


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