当寺は明治の初めまで多聞院常楽寺と申し、いつ頃の開山かは寺歴に残されておりませんが、行基菩薩が開基されたと伝えられ、本尊毘沙門天王像も行基菩薩の手によるものと言われています。 承久の乱に関わって土佐に配流された土御門上皇が阿波に遷座される際に常楽寺を行在所と定めて滞在され、傍らの山にてしきりに月をご覧になったことからその山を月見山と呼ぶようになり、当寺の山号も月見山と称するようになったと古書に見られます。 明治の廃仏毀釈では香美郡の真言宗寺院でただ1ヶ寺存続を得ましたが、その際寺名が現在の宝幢院と変わりました。 本尊毘沙門天王木像を始め、土御門上皇が遺されたと言い伝わる冠や、束帯の一部、室町時代の大般若経や、時の豪族が奉納した聖観音木像等々が寺宝としてあります。 ご遠慮なくご参拝下さい。
山主敬白 |