弘法大師空海ゆかりの霊場を巡る四国遍路は、四国を全周する全長1,400kmにも及ぶ壮大な回遊型巡礼路であり、1200年を超えて発展継承され、今なお人々により継続的に行われている。地域住民の温かい「お接待」を受けながら、国籍や宗教・宗派を超えて行われる四国遍路は世界でも類を見ない巡礼文化であり、2015年に日本の文化・伝統を語るストーリーの1つとして、日本遺産に認定された。 第24番札所の最御崎寺は、室戸山と号する真言宗寺院で、26番札所金剛頂寺を西寺というのに対し、東寺とよばれる。若き日の弘法大師が当地で修行し、唐から帰国後に創建したと伝える。 |
室戸山明星院の遍路みちありあり見えて明け初めにけり
『朝影』 |
山の上に第二十四番の札所東寺がある、堂塔はさほどでないが景勝第一を占めている、そこで、私は思いがけなく小犬に咬みつかれた、何でもないことだが寺の人々は心配したらしい、私はさっさと山を下った、私としてこれを機縁として、更に強く更に深く自己を反省しなければならない。
『四国遍路日記』 |