2021年〜神奈川〜
元別館「光風荘」〜湯河原の2・26事件〜
昭和11年(1936年)2月26日、首都東京で首相をはじめ政府高官の官邸、私邸が、国家改造を求める陸軍青年将校らの率いる兵1400余名の部隊に襲われ、斉藤内大臣、高橋大蔵大臣、渡辺教育総監、松尾陸軍大佐らは即死、鈴木侍従長は重傷、護衛の巡査数名死傷という大事件が起こった。 これと同時に、遠く離れたこの湯河原でも、青年将校の一人河野大尉の率いる別働隊7名が、元内大臣牧野伸顕伯爵を、静養中のこの場所伊藤屋旅館の元別館光風荘に襲い、銃撃、放火。急を知り駆けつけた地元消防団員の救出活動により、牧野伯爵とその家族は辛くも難を逃れたが、付添いの森看護婦は銃創、護衛の皆川巡査は銃弾に倒れ、後に焼死体で発見されるという事態に到った。 また牧野伯爵を助け出した前第五分団長(現温泉場分団)岩本亀三は銃創、消火に当たった消防団員も負傷するなどのほか、銃剣をも恐れぬ地元消防団員らの勇敢な救出消火活動があった。 これらの事実は、湯河原の歴史の一こまとして湯河原町民の心意気と共に後世に永く語り伝うべきものである。
郷土史研究家諧 高橋徳 光風荘保存会 |
この碑文は、光風荘に宿泊静養中に襲撃された牧野伯爵の曾孫に当たる麻生太郎(元首相)の直筆を刻したものです。 |